今日のことば

原文】
古往の歴史は、是れ現世界にして、今来の世界は、是れ活歴史なり。〔『言志録』第143条〕

【意訳】
過去の歴史の上に現在の世界があり、未来の社会は過去の歴史を活かして作り上げるものである。

【一日一斎物語的解釈】
先人の仕事が今を作り、今現在の我々の仕事がこれ以降の歴史を築いていく。


今日のストーリー

仲良し同期三人組の石崎君・善久君・願海君の3人が喫茶コーナーで雑談中のようです。

石崎「世の中は働き方改革だとか言っているけど、ウチはまだみんな残業しているよね」

善久「これでも相当減ったらしいよ。山田さんが言ってたけど、以前は全員で日付が変わるまで仕事していたらしいもん」

「それはきついな。それもただ働きでしょ?」

願海「当時は、だれも残業代なんか申請していなかっただろうからね」

「世の中の若者は定時で帰って、アフター5を楽しんでいるというのに、俺たちは時代に取り残された可哀そうな若者なのかな?」

「俺の友達は、仕事帰りにフットサルをやっていると言ってた。羨ましいよなぁ」

「でもね。今の自分というのは、過去の自分が作り上げたものなんだよ」

「え、どういうこと?」

「たとえば、一流大学に通う学生と三流大学に通う学生との違いは、能力の違いではなく、受験勉強を一所懸命にやったかやらなかったかの違いだということだよ」

「三流大学を出た俺にはキツイ言葉だな」

「あ、ちょっと事例を間違ったね。でも、それは僕も同じだよ。でも、ここで頑張れば、もしかしたら一流大学を出た同級生より成功できるかも知れないよ!」

「なるほど。今こうやって頑張っている俺たちには、今遊んでいる若者よりも明るい未来が待っているってことか!」

「僕はそう信じているよ」

「やっぱり、頑張ったら頑張ったなりの成果は出るんだよね」

「もちろん、やり方も大事だとは思うけど、最後は泥臭い仕事をコツコツやる人が勝つんじゃないのかな」

「そういえば、カミサマが『努力は裏切らない』とか言ってたな」

「そうだね。三流大学を出た僕たちが一発逆転を狙うには、いまここで頑張るしかないんだね!」

「そう思ったら、残業が嫌じゃなくなってきたな」

「でも、残業し過ぎるとカミサマに文句を言われるんだよね」

「自分は散々残業した癖に、俺たちには残業するなって、追い越されるのが怖いのかな?」

神坂「そんなわけないだろ!!」

「げっ、いつの間にそこに居たんですか、課長!」

「ちょっと前にコーヒーを買いに来たら、お前らがだべっていたから陰で聞いてたんだよ。しかし、さすがは願海だな。良いことを言うよ。たしかに、今の俺がこうして課長になれたのは、あの頃の努力のお陰だ」

「それにプラスして人材難というのも大きかったんじゃないかって、大累課長が言ってましたけどね」

「あいつにだけは言われたくないわ!!」


ひとりごと

現在の世界は、過去の歴史が作り上げたものであり、未来は今の積み重ねで築かれていくものです。

人も同じでしょう。

過去の自分が今の自分を形作り、今の自分が将来の自分を作り上げていくのです。

そうと分かれば、今この時を大切にし、精一杯力を尽くすべきですね。

でも、決して働き方改革に反旗を翻しているわけではありませんので、勘違いなされないようにお願いします。


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