今日のことば

原文】
信、上下に孚(ふ)すれば、天下甚だ処し難き事無し。〔『言志録』第150条〕

【意訳】
職位が上の人からも、また部下からも信頼を得ているならば、この世の中で成し難いことなどない。

【一日一斎物語解釈】
職位が上の人からも、また部下からも信頼を得ているならば、どんな仕事もうまくいく。


今日のストーリー

営業2課の善久君が、昨日の神坂課長の見事なクレーム処理について職場で話をしているようです。

本田「たしかに、神坂課長のクレーム対応は凄いよ。僕もいつも感心するもんな」

善久「クレーム対応のコツは、『想定外を想定する』ことなんだそうです」

石崎「なんだ、それ? 想定外って想定できないから、想定外なんじゃないの?」

「うん。何が起きるかはわからないけど、とにかく想定外のことは起きると覚悟しておくことが重要なんだって」

「たしかに、緊急事態になると我を失う人というのは、結局そういう心構えができていない人なんだろうな」

「はい。カミサマの場合は、想定外のことが起きたら、『そう来たか!』と思って、思わず笑ってしまうらしいです」

「変態だな」

「でも、そういう課長だからこそ、安心してクレームのときに同行してもらえるわけだね」

「たしかに。あの人が一緒だとめっちゃ心強いですからね」

「そうやって、見事に部下の信頼を勝ち取っているんだな、あの人は」

「部下からだけでなく、上司の皆さんも課長のことを信頼して任せているように見えるよね」

「佐藤部長は全幅の信頼を置いている気がしますね」

「でも、神坂課長をそこまでに育てたのは佐藤部長だからね」

「ということは、佐藤部長はさらに偉大だということですかね?」

「間違いないね。でも、こうやって自分の上司を信頼できるって、僕達にとってもありがたいことだよね」

「はい。大学時代の同級生に会うと、だいたいの奴らは上司の悪口を言っています」

「ザキはけっこうカミサマの悪口を言ってない?」

「ゼンちゃんは、気づいていないのかな? あれは愛のある悪口だよ」

「悪口に愛があるのかなぁ?」

「ははは。いずれにしても、上司と部下が互いに信頼し合える職場の一員でいられることに感謝しよう」

「そうですね。同級生の話を聞いていると、自分がいかに恵まれているかを再確認できます」

「これからもカミサマを盛り立てていこうよ!」

「そうだね」


ひとりごと

この架空の職場は、小生の理想を描いたものです。

かつて、部下指導に失敗し挫折を経験した時には、部下の皆さんの信頼を勝ち取れていませでした。

だからこそ、こんな職場に憧れています。

そして、何の因果か、また職場の長に任命され20名強の支店をまとめることになりました。

理想を現実にできる様、精進していく所存です!


tewotsunagu