今日のことば

原文】
言を慎む処、即ち行ないを慎む処なり。〔『言志録』第186条〕

【意訳】
口を慎むことが、行動を慎むことになる。

【一日一斎物語的解釈】
まず口を慎むことが、行動を自制するためにも重要なことだ。


今日のストーリー

今日の神坂課長は、石崎君の相談を受けているようです。

「課長、私みたいにやり過ぎちゃう人は、どうやって行動を自制すれば良いのでしょうか?」

「お前、それを俺に聞く?」

「だって、課長なら同じことで悩まれたはずだと思いまして」

「鋭いな。と言っても俺の場合、自分がやり過ぎだと気づいたのは、30代後半になってからだけどな」

「遅っ!!」

「だから、俺に聞くかって言ったんだよ!!」

「じゃあ、いいです」

「おい、ちょっと待てよ。せっかく俺が話をしようと思っているのに、それはないだろ!」

「わかりました。一応、聞きましょう」

「なんで俺が聞いて欲しいような状況になってるんだよ! まぁいいや。いいか、よく聞け」

「はい」

「きっとお前は、行動をどうやって抑えようかとしか考えていないんじゃないか?」

「いや、だって、それが目的ですから!」

「甘いな。本当に行動を自制したいなら、まず言葉を慎まなければダメなんだ」

「は?」

「ちょいちょい鼻につく態度だな。いいか、石崎。お前も俺に似て、どっちかと言えばペラペラしゃべるタイプだろ?」

「それは否定しませんけど…」

「そういうタイプはまず言葉を控えめにするんだよ。ついつい大風呂敷を広げてしまって、それをやらなきゃいけない羽目になったことはないか?」

「よくあります!!」

「だろ?」

「そうか、調子に乗って大きなことを言ってしまうから、そのあと無理をしなきゃいけなくなるんですね」

「うん、俺もよくあったよ。『なんであんなこと言っちゃったんだろう』って思ったことがな」

「ありがとうございます。これからは、一言余計なことを言う前に、一度ぐっと飲みこむ努力をしてみます」

「それだけで、だいぶ無理しなくて済むぞ。俺は、それで楽になったからな」

「はい。でも課長の場合は、まだ結構デカいこと言ってると思うんですけど、それで抑え気味だとしたら、以前は一体どんな絵空事を言ってたんですか??」

「うるせぇ、絵空事って言うな!!!」


ひとりごと 

今回の一斎先生の言葉は、小生にとって、目から鱗が落ちる思いがした章句でした。

振り返ってみると、人からみてやり過ぎなことをする時は、大概その前に大風呂敷を広げてしまって、やらざるを得ない環境を自ら作り出していました。

まず、大きなことを言わない。

これだけでも、大いに行動を自制することができるはずです!

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