今日のことば

原文】
雅楽感召(かんしょう)の妙は、百獣率いて舞い、庶尹(しょいん)(まこと)に諧(やわら)ぐに至る。蓋し聴く者をして手の舞い足の踏むを覚えざらしむ。何ぞ嘗て睡を思わんや。鄭衛(ていえい)の淫哇(いんあい)の如きも、亦人をして手を舞い足を踏ましむ。故に以て雅楽を乱すに足るのみ。乃ち知る、魏の文侯古楽を聴き、唯だ臥するを恐れる者は、恐らく已に先王の雅操に非ざりしことを。〔『言志録』第209条〕

【意訳】
高尚な音楽は人心を感動させ佳境に入ると、動物たちが舞い踊り多くの官僚達も和むようになる。思うに、このような音楽は聴くものを思わず躍らせてしまうようなもので、決して眠くなるようなものではない。鄭国や衛国の淫らな音楽でさえも聴く人をしてそうさせるので、正しい音楽が撹乱される。『礼記』楽記篇に、魏の文侯が古楽を聴いて眠くなったと言っているが、これはその音楽が先王の作った高雅な情操のある音楽ではなかつたのであろう。

【一日一斎物語的解釈】
素晴らしい音楽は人を感動させ、心を躍らせる。昔の音楽を聞くと古臭く感じて眠くなるというのは、そうした音楽の聴き方を学んでいないためであろう。


今日のストーリー

今日の神坂課長は、相原会長に誘われてオペラ鑑賞にやってきたようです。

「神坂君、どうだった、初オペラは?」

「正直に言いますが、会長のお誘いだったので、渋々ついてきたんです。私はロックとかブルースしか知りません。クラッシックとかオペラなんて一生縁がないと思っていたんです」

「それで、実際に聞いてみた感想は?」

「それが、めちゃくちゃ感動しました。人間の声って、楽器の一部なんだなってことを今更ながら知りました」

「さすがは本物がわかる男だね」

「もちろん、ロックも最高ですし、アコースティックのブルースも枯れていて渋いんですけど、オペラは荘厳さを感じました。これは、ロックやブルースでは味わえない感覚なんでしょうね」

「うん。魂が震える感じがしたでしょ?」

「はい。なぜか涙が出てきました」

「あれは何故なんだろうね。言葉はわからないのに、自然と涙が出てくるよね」

「今日の主演の女性は、有名な人なんですよね?」

「赤石夕子さんと言ってね。いま売り出し中のオペラ歌手だよ。今回のチケット、いくらだったと思う?」

「5,000円くらいですか?」

「1万5,000円」

「高っ! でも、それくらいの価値はあったかも知れません」

「来てよかったでしょ? 神坂君なら、オペラの良さが分かるはずだと思っていたよ」

「もし眠くなったらどうしようかと思っていたんです。会長にバレないように眠れるだろうか、とか馬鹿なことを考えていたんですけどね(笑)」

「本物が分かる人が一流のオペラを聞けば、眠くなることはないよ。良いものはいつ聴いたって良いんだよね!」

「はい。勉強になりました。あ、あそこでCDを販売しているみたいですね。一枚買ってきます!!」


ひとりごと 

こんなストーリーを書いていますが、実は小生、クラッシックもオペラも未経験なのです。

興味はあるのですが、コレクター癖があるので、ハマると危険だと思って手を出していないのが本音です。

しかし、食わず嫌いはよくありませんね。

元々、2,000枚以上のCDを所有しているほどの音楽好きなので、来年はオペラ解禁とするつもりです!!


opera_singer