今日のことば

原文】
春風を以て人に接し、秋霜を以て自ら粛(つつし)む。〔『言志後録』第33章〕

【意訳】
人に接するときは春風のように温かく接し、己に対しては秋の霜のような厳しさで鍛錬をするのだ

【一日一斎物語的解釈】
メンバーには春の風のように温かく接し、己には秋の霜のごとく厳しく律するリーダーたれ。


今日のストーリー

今日の神坂課長は、N大学医学部附属病院の倉庫脇にある休憩室で、Y社の若手社員・丸野さんと雑談をしているようです。

「え、丸野君の下の名前、『春風と書いて何て読むの?」

ネームカードを見ながら聞いているようです。

「そのまま、『はるかぜ』です」

「カッコいいね。名前の由来は聞いている?」

「はい、たしか、佐藤一斎という学者さんの言葉から取ったと聞きました」

「え!! 一斎先生?!」

「急に大きな声を出さないでくださいよ、ビックリするじゃないですか!!」

「ゴメン、ゴメン。いや、俺がビックリしたわけよ!」

「なぜ、そんなに驚いているのですか?」

「俺はその一斎先生の『言志四録』という本を学んでいる上司から、人間としての在り方を教えてもらっているんだよ」

「ということは、師匠の師匠が佐藤一斎ですか?」

「そうなるね。そうか、あの言葉だな。『春風を以て人に接し、秋霜を以て自ら粛』」

「あー、それです! 春の風のように温かく人に接しなさい、という意味で付けた名前だと言われました」

「誰が付けたの?」

「祖父です。もう亡くなりましたけど」

「きっと立派なお爺さんだったんだろうね」

「高校で古典の先生をやっていたと聞いています」

「なるほどね。素晴らしい名前をもらったね。俺も春の風を目指しているんだけど、気を抜くとすぐに秋の霜のように、人に厳しく接してしまうんだよな」

「もしかして、神坂さんの下の名前は、『あきしも』ですか?」

「そんなわけないだろ!!」


ひとりごと 

既に以前にも書いたように、小生が『言志四録』の章句の中で最も愛する章句です。

この言葉に説明は要らないでしょう。

秋の霜になりがちな小生を戒めてくれる素晴らしい言葉です。

あ、ちなみに小生の名前は「はるかぜ」でも「あきしも」でもありません!


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