今日のことば

【原文】
五穀の豊歉(ほうけん)にも亦大抵数有り。三十年前後に必ず小饑荒(きこう)有り。六十年前後に必ず大凶歉有り。較(やや)遅速有りと雖も、竟に免るる能わず。之れが予備を為さざる可けんや。〔『言志後録』第181章〕

【意訳】
五穀の豊作・不作にもやはり運命というものがある。三十年経過した頃に小さな飢饉が起こり、六十年経過した頃には大飢饉もやってくる。多少の時期の相違はあるが、最終的に逃れることはできないものである。だからこそ予め準備をしておくことが必要なのだ

【一日一斎物語的解釈】
景気にも必ず好況と不況のときがある。多少の時期のズレはあっても周期的に繰り返すものである。日頃からそのための備えを怠ってはならない。


今日のストーリー

今日の神坂課長は、大累課長とランチ中のようです。

「このところ円安がかなり進んで、物の値段が何もかも上昇していますね」

「そうでなくても、プーチンの暴走で原料の値段が軒並み上がっているところに円安だからな。ダブルパンチだよな」

「深刻なのは、日本では物価上昇に賃金の上昇が追いついていないことですよね」

「たしかに俺たちの給料も大して増えてないもんな」

「賃金が上昇していないのは、先進国では日本だけらしいですよ」

「そうなのか? 世界は賃金も上がっているのか?」

「ニュースでそう言ってました」

「たしかに景気を底上げするには、消費マインドを喚起しないとな。それには賃上げが一番だよな」

「景気の波っていうのは、ある程度周期的に来るんですよね?」

「そうらしいな。本当はそういう時に備えて準備をしておくべきなんだよな」

「それが本来、政治家に求められることなのかも知れませんね」

「うん。かつて米沢藩主の上杉鷹山は、不景気に備えて、庶民の家の垣根をウコギという植物で作らせたらしい」

「ウコギですか?」

「これはあの直江兼続が持ち込んだ植物らしいんだけど、非常時には食用にもなるため、米沢では古くから食用を兼ねた垣根として利用されてきたらしいんだ」

「それを上杉鷹山が奨励したんですね?」

「そのとおり。その結果、大飢饉が発生したとき、米沢藩だけは餓死者を出さなかったと言われているんだ」

「やはり名経営者は、危機管理に長けているんですね?」

「そういうことだよね。ちょっとしたトラブルでパニックになっているようじゃ、リーダーは務まらないぞ、大累!」

「神坂さんも大して変わらないでしょ!」

「うわぁ、ワイシャツにカレーが飛び散ってる!」

「カレーうどんはそうなるんです。だから、私はこうやってハンカチをエプロン代わりにしていたんですよ。危機管理能力は私の方が上ですね」

「そうでもないんじゃないか?」

「え?」

「ズボンを見てみろよ。カレーの塊が落ちてるぜ(笑)」

「ゲッ、ほんとだ!!」

「お前も俺も、まだまだ名経営者への道は遠いな(笑)」


ひとりごと

景気の波やパンデミックは、人類の歴史を振り返れば、周期的に発生しているようです。

しかし、現状を鑑みると、事が起きてから対応に苦慮しているように思えます。

やはり、来るべきリスクにあらかじめ備えておくことが、最大の戦略だと言えそうです。

特にリーダーは、あらゆるリスクを想定して、しっかりと準備をすることを怠らないようにしましょう!


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