今日のことば
【原文】
老人の話は、苟(かりそめ)に聞く可からず。必ず之を記して可なり。薬方を聞くも亦必ず箚記(さっき)す。人を益すること少なからず。〔『言志後録』第212章〕
【意訳】
老人の話は、いい加減な気持ちで聞いてはならない。必ず記録しておくべきである。薬の処方を聞く場合もまた必ずその都度書き残しておくべきである。ともに後で何かの役に立つことがあるはずである。
【一日一斎物語的解釈】
ベテラン社員の話には真摯に耳を傾け、時代を超えた仕事の本質を捉えて記録しておくとよい。
今日のストーリー
今日の神坂課長は、勉強会仲間のフミさんこと松本さんと食事をしているようです。
「ゴッド、いつも声をかけてくれて、ありがとうね」
「不思議なんですけど、フミさんには定期的に会いたくなるんです。麻薬のような存在ですね(笑)」
「オー、アイ・アム・ドラッグ?」
「ただし、フミさんは合法ドラッグですけどね!」
「ははは。うまいな! 先に一本取られちゃったよ(笑)」
「それにしてもコロナ患者がすごい勢いで増えてますね。こんな時に声をかけて良いものか迷ったんですけど」
「まぁ、罹ったら罹ったで、最強のワクチンを接種するようなものだと思って諦めるよ」
「さすがです。実は、ウチの会社でもコロナの感染者が増えてきましてね。ちょっとヤバイ状況になってきたんです」
「これだけ増えたらねぇ。そろそろ濃厚接触者という定義も変えていかないとねぇ」
「フミさんが社長さんだったときは、こういう緊急事態に対する備えはどうしていたんですか?」
「今でこそ、BCPなんて言葉もあるけど、当時はそんなものはなかったからねぇ。ただ、工場が止まると大変なことになるから、一人が2つの仕事に精通するように、指導していたね」
「誰かが休んでもカバーできる体制づくりですか?」
「ザッツ・ライト! あとは、毎年インフルエンザのワクチン接種は、お医者さんに会社に来てもらって打たせたよ。費用は会社持ちでね」
「なるほど。やっぱり、フミさんの話は勉強になります。会社の総務にも話してみます」
「お恥ずかしい」
「やはり人生の大先輩の話は疎かにしてはいけませんね!」
「オー・イエス! そのかわりダジャレにも付き合ってもらうけどね(笑)」
「大丈夫です。フミさんのダジャレ対策のワクチンはすでに接種済ですから」
「ははは。またまた一本取られちゃった!」
ひとりごと