今日のことば

【原文】
人の物を我に乞うは厭う勿れ。我の物を人に乞うは厭う可し。〔『言志後録』第221章〕

【意訳】
人が自分に物の提供を求めてきたときは嫌がってはいけない。しかし自分が他人に物を乞うことは避けるべきである

【一日一斎物語的解釈】
他人に物の提供を求められたら断るな。しかし、自らが他人に求めることはすべきでない。


今日のストーリー

今日の神坂課長は、営業2課の梅田君とランチ中のようです。

「課長、雑賀さんに貸したお金を返すように言ってくれませんか?」

「あいつ、梅田にも金を借りているのか」

「酷いんですよ。あの人からランチに誘っておいて、小銭がないから貸してくれって。それが一回や二回じゃないんです」

「確信犯だな?」

「絶対そうです! 課長も貸しているんですか?」

「そうだな。たぶんトータルで一万円くらいは貸しているかな」

「帰ってこなくても良いのですか?」

「まあな。俺にとってはあいつは後輩だしな。そもそも俺は人から金や物を貸してくれと頼まれたら断らないことにしているんだ」

「なぜですか?」

「頼ってもらえるなんて、有難いじゃないか?」

「そうですかねぇ??」

「ただし、俺は自分からは他人に金銭や物を貸してくれとは絶対に言わないことにしている」

「カッコいいですけど、そんなふうに人を信じて大丈夫ですか?」

「ははは。俺だって、さすがに見ず知らずの人には貸さないぜ!」

「じゃあ、雑賀さんに言ってもらうのは無理ですか?」

「いや、雑賀にとって梅田は後輩だからな。後輩にたかるのは問題だよ。ガツンと言ってやる」

「あっ、では、今後は、という条件をつけてください。今までの分は授業料だと思って諦めます!」

「授業料?」

「ああ見えて雑賀さんは、けっこう為になる話はしてくれますから」

「いいねぇ梅田。気持ちいいじゃないか!」

「私もすこしだけ神坂課長を見習おうかと思いまして!」

「よし、じゃあ今日のランチは俺の奢りだ」

「え、マジですか? じゃあ、みそ汁を豚汁に変更してもいいですか?」

「いいよ。ライスも大盛にしたらどうだ?」

「ライス大盛は無料ですから、もう頼んでいます」

「なるほど(笑)」


ひとりごと

掛けた恩は水に流し、受けた恩は石に刻め、という言葉があります。

ここの一斎先生の言葉と同じ意味の言葉です。

世の中の成功者と言われる人は、実力だけでなく、運にも恵まれています。

最近、小生が主催する読書会で参加者の皆さんと話をしていて、縁と恩を大切にすると運が溜まるのだと気付きました。

受けた恩は絶対に忘れないようにしましょう!

そして、掛けた恩など、サラリと水に流しましょう!


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