今日のことば

【原文】
信を人に取れば、則ち財足らざる無し。〔『言志後録』第224章〕

【意訳】
人から信頼を得ることができれば、財物に不足するようなことはない

【一日一斎物語的解釈】
ビジネスの王道を歩みたいなら、組織内に信頼関係を醸成することだ。


今日のストーリー

今日の神坂課長は、新卒社員採用の面接官をしているようです。

「岡崎さんは、どんな営業マンになりたいの?」

「はい。『岡崎から買いたいと言ってもらえるような営業マンになりたいです!」

「なるほどね。では、そのためには何をすればいいと思いますか?」

「そうですねぇ。やはり信頼を得ることが出来なければいけないと思います」

「信頼ね。実はね、学生の皆さんは、だいたい『信頼が大切だと思いますと答えるんだよね。それはそのとおりなんだけど、それが一番難しいんだ。岡崎君は、どうすれば信頼を勝ち取れると思う?」

「うーん。すみません、わかりません。教えてください!」

「ははは。正直でいいね。その答えは私にもわからない。だって、それがわかれば間違いなく売れる営業人になれるんだからね」

「はい」

「だから、私なりの考えをお伝えしますね」

「ありがとうございます!」

「よく世間では『信頼』と『信用』を同じような意味で使っているよね。でも、この2つはかなり違うと思っているんだ」

「はい」

「信用は、信じて用いること。つまり、この人にお願いすれば間違いないなと思ってもらえる状態だよね。これでも十分に素晴らしい」

「信頼はさらに上なのですか?」

「うん。信頼は、信じて頼ると書くよね。どうしたらいいか答えがわからないときに、彼に相談してみようと思ってもらえる関係が出来ている状態、それが信頼だ。お客様から相談される営業マンになって、はじめて信頼を勝ち取れたと言えるんじゃないかな?」

「そんな営業マンになりたいです!」

「そのためには、お客様の期待を超えないといけないと思うんだ。『それは気づかなかった。それならうまく行きそうだね』とか、『えっ、そこまでやるの?』と思ってもらえるような提案ができなければ、信頼は勝ち取れない。だから、難しいんだね」

「勉強になります」

「あ、ごめん、ごめん。またしゃべり過ぎてしまったね。これは私の悪い癖なんです。私からの質問はこ
れで終わります」


ひとりごと

信頼を勝ち取る。

言葉で言うのは簡単ですが、これほど実現することが難しいことはないでしょう。

だからこそ一斎先生も、信頼を獲れば財物に不足するようなことはなくなる、と言っているのです。

では、具体的にどうすれば信頼を勝ち取れるのか?

この物語の中で神坂課長が語っているのは、小生の約三十年の営業生活で学び得たひとつの答えだと信じています。


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