今日のことば

【原文】
血気には老少有りて、志気には老少無し。老人の学を講ずる、当に益々志気を励まして、少壮の人に譲る可からざるべし。少壮の人は春秋に富む。仮令(たとい)今日学ばずとも、猶お来日の償う可き有る容(べ)し。老人は則ち真に来日無し。尤も当に今日学ばずして来日有りと謂うこと勿(なか)るべし。易に曰う、「日昃(かたむ)くの難は、缶(ふ)を鼓して歌わざれば、則ち大耋(てつ)の嗟(なげき)あり」とは、此(これ)を謂うなり。偶(たまたま)感ずる所有り。書して以て自ら警(いまし)む。〔『言志後録』第243章〕

【意訳】
血気には老若の違いがあるが、志気には老若の違いはない。老人が学問を修める場合は、益々志気を高めて、若い人たちに劣るようではいけない。若い人の人生は長い。今日学ばなかったとしても、将来的に埋め合わせることもできよう。しかし老人にそのような時間はない。朱子が「今日学ばずとも明日があるなどと言ってはいけない」と言っているのも尤もなことだ。『易経』にも「日が西に傾いて夕方となった、人生でいえば老境であり、先が久しく続くわけではないのである。日が中央にかかればやがて傾くのは天命である。この理を知り君子は老境を相応に楽しく過ごし、良き後継者を求めて心の安息を得るべきなのである」とあるが、このことを指摘しているのであろう。少々感じるところがあったので、ここに記して自らの戒めとしたい

一日一斎物語的解釈
老齢を迎えた人には残された時間も少ない。志気を保ち、日々の学びを怠ってはいけない。しかし、また一方で楽しむことも忘れずに過ごしたいものだ。


今日のストーリー

今日の神坂課長は、読書会仲間の松本さんと食事をしているようです。

「いつも声をかけてくれてゴッドには感謝しているよ」

「なにを言ってるんですか。話をしていて楽しいし、勉強になるから、こっちからお願いしているんですよ」

「うまいこと言うねぇ!」

「そういえば、最近はお世辞が上手になったとよく言われます」

「ははは。これは参った!」

「それにしてもフミさんの学ぶ意欲は凄いですよね」

「学んでいるとき以外は、飲んでいるような飲んだくれだよ。せめて学ばないとね。仕事がないということは、やっぱり淋しいものだよ」

「そういうものですかね?」

「それに残された時間は限られていることを感じるんだよ。先日も、自分より9つも若い後輩が突然亡くなったんだ」

「なるほど。私もそれを感じないことはないですが、まだ実感が薄いんでしょうね」

「ゴッドはまだやっと折り返し地点だよ。でもね、年とともに血気のようなものは薄れてはいくけど、志気は衰えていないつもりなんだけどね」

「はい、それはフミさんからヒシヒシと伝わってきますよ」

永遠に生きるように学び、明日死ぬかのように生きる。これが私の今のモットーなんだよ」

「カッコいい!」

「実はこれはマハトマ・ガンジーの言葉でね。この言葉を知ったときは、身体に電流が走ったよ」

「まだまだ若輩者ですけど、私もその言葉を胸に刻みますよ」

「ただし、楽しく学ぶことも忘れないようにしているんだ。学生のときみたいに、嫌々学んでも、なにも残らないからね!」

「それは、学生時代にまったく勉強しなかった私には痛いほどわかります(笑)」

「同士よ!(笑)」

「さっき、フミさんは私はまだ人生の折り返しだと言いましたよね。でも、フミさんも100歳まで生きるなら、まだ3/4までも来ていませんよ!」

「オー・ノー。リビング・デッド(生ける屍)にならないように、学び続けないと!!」


ひとりごと

少年老い易く、学成り難し。

小生もあっという間に55歳となりました。

まだまだ、『論語』も『言志四録』も体得できている実感はありません。

楽しく、真摯に学び続けていきます。

リビング・デッドと呼ばれないように!


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