今日のことば

【原文】
酬酢紛紜(しゅうさくふんうん)にも、提醒(ていせい)の工夫を忘る可からず。〔『言志後録』第246日〕

【意訳】
人との応対に忙しいときでも、常に本心を目覚めさせる工夫を忘れてはいけない。

【一日一斎物語的解釈】
忙しいときこそ、心を覚醒させて仕事を滞りなく処理することを忘れてはいけない


今日のストーリー

「石崎! お前、金額を一桁間違えていないか?!」

神坂課長が石崎君に怒鳴っています。

「えっ、私に限ってそんなことはないと思いますけど……」

「バカたれ、お前に限ってそういうことがあるんだよ!」

「見せてください。うわぁ、本当だ!!」

「『うわぁ、本当だ!!』じゃねぇよ。毎回同じリアクションをしていて、よく飽きないな」

「月末でちょっと忙しかったので、ついつい心ここにあらずで見積りを作ってしまったみたいです」

「他人事みたいに言うな!」

「余裕があれば、こんな間違いはしないんですけどねぇ」

「当たり前だ! 余裕がある時にミスをするようなら、もうお払い箱だよ」

「それはそうですね(笑)」

「笑いごとじゃないぞ。一度、見積りを提出してしまったら、後から修正させてもらえないのが入札だからな」

「この金額で入札していたら、大きな損失を会社に与えるところでした」

「大問題になっていたぞ。いいか石崎。忙しい時だからこそ、心を落ち着かせ、心を目覚めさせる必要があるんだよ」

「心を目覚めさせるって、どういうことですか?」

「眠い時に本を読んでも頭に入らないだろ? そんなときは冷たい水で顔を洗うと目が覚めて、また本が読めるようになる」

「はい」

「それと同じで、忙しい時というのは、心が眠っているときなんだよ。だから、心を目覚めさせる必要があるんだ」

「なるほど。でも、顔と違って心に水をかけることはできないです」

「そうだよ。だからこそ、今自分がやっている仕事はどれだけ重要かということをしっかりと肝に銘じてから仕事に手をつけるしかない」

「気を引き締めるわけですね?」

「そうだ。それがわかったら、とっとと修正して持ってこい!」

「はい。我が心よ目覚めよ!!」

「やかましいわ!!」


ひとりごと

誰でも忙しいときに、思わぬミスをするものです。

小生も慌てているときに新幹線のチケットを予約したところ、往復のチケットを買ったはずが、往路を2枚買っていて大慌てしたことがあります。

その程度のミスなら笑い話で済みますが、場合によっては取り返しのつかない失敗を起してしまう危険性を孕んでいます。

つねに心を覚醒させて、諸事に臨みましょう。


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