今日のことば

【原文】
心は平なるを要す。平なれば則ち定まる。気は易(い)なるを要す。易なれば則ち直し。〔『言志晩録』第6章〕

【意訳】
心は平静さを保つべきである。心が平静であれば安定するはずである。気分は穏やかさを保つべきである。心が穏やかであれば素直になれるはずである

【一日一斎物語的解釈】
心に平静さを保てば、仕事も生活も安定する。気分を穏やかに保てば、素直に行動できる。


今日のストーリー

今日の神坂課長は、営業部特販課の大累課長と同行中のようです。

「なんだよ、コイツ。いきなり前に入ってきたくせに、ノロノロ走りやがって!」

「神坂さん、相変わらずハンドルを握ると昔の狂暴性が顔を出しますね(笑)」

「やかましいわ! ハンドル握った時くらい素の俺でいいだろ!」

「やっぱり、それが素なんですね(笑)」

「げっ、思わず本音が……」

「しかし、今の時代、どこで動画を録られているかわかりませんよ。ウチの社用車は社名こそ入ってないですけど、ナンバーですぐにバレますからね」

「たしかにな。面倒な時代になったな」

「それをポジティブに捉えて、そういう時代だからこそ、ハンドルを握ったときも冷静で、そして心穏やかでいるように心をコントロールしないと駄目なんですよ!」

「クソ、お前の説教なんか聞きたくないが、全部その通りだから反論できない」

「いいですよ、そういう素直さ。結局、素直になれる時というのは、心が穏やかな時ですからね!」

「なんかお前が佐藤部長に見えてきた(笑)」

「元々、同じタイプですから」

「ふざけるな! お前はどう考えたって、俺と同類だ」

「よく新美もそう言いますよね。私もいろいろとディスられることはありますが、それ以上にムカつくというか、傷つく言葉はないですよ!」

「なんだと!!」

「ほらほら、ハンドルを握ってるんですから、冷静に。痛っ!!」

「右手一本あれば、ハンドルくらい握れるわ!」

「俺は両手が使えることを忘れてませんか。フッフッフ」

「おい、やめろ! お前、覚えてろよ!!」

「四十を超えたおっさん二人が何をやってるんですかね(笑)」

「ホントだよ。これで事故ったら、どう言い訳すればいいんだ(笑)」

「言い訳してもダメですよ。ドライブレコーダーに全部証拠が残りますから(笑)」

「そうだった。それを思い出すのが一番冷静になれるかも!!」


ひとりごと

心が穏やかであると素直になれる、という一斎先生のご指摘には納得させられました。

たしかに他人の忠告を受け容れられるときというのは、心が安定しているときですよね。

そして、学問とはそもそもそうした安定した心をつくるためにあるのだと言います。

それが、禍福終始を知って惑わないということでしょう。


car_jiko_aori_unten