今日のことば

【原文】
余は好みて武技を演ずるを観る。之を観るに目を以てせずして心を以てす。必ず先ず呼吸を収めて、以て渠(かれ)の呼吸を邀(むか)え、勝敗を問わずして、其の順逆を視るに、甚だ適なり。此も亦是れ学なり。〔『言志晩録』第88条〕

【意訳】
私は武道の試合を観戦することが好きである。その際は、目で観るのではなく、心で観ることを意識している。必ず最初に呼吸を整えて、選手の呼吸をつかみ、勝敗を問うことなく、呼吸や心の動きを観るのだが、これでその結果を当てることができる。これもまた学問といえるかも知れない

【一日一斎物語的解釈】
勝負事というのは、冷静に呼吸を整え、自分の間で戦う側に勝機が訪れるものだ。


今日のストーリー

今日の神坂課長は、佐藤部長の部屋に居るようです。

「神坂君、寝不足なんじゃない?」

「そうなんですよ。試合を最後まで見ましたし、インタビューもずっと見てしまいました」

「そんな顔をしているよ」

「今日は日本国中、そんな連中がたくさんいますよ(笑)」

「素晴らしい試合だったね」

「えっ、部長も観たんですか?」

「国民的行事だからね!」

「全然眠そうじゃないですね。部長は一体何者なんですか?!」

「ははは。普通の人間だよ。そうだ、一斎先生は武道を観戦するのが好きだったらしいよ。そして、試合を目ではなく心で観るんだそうだ。そうすると結果が自ずと分かったらしいよ」

「じゃあ、一斎先生なら昨日のジャパンの戦い方を観て、結果が先にわかったかも知れませんね」

「そうだね」

「たしかにPKになった時に、やや日本には動揺があったような気はしましたけどね」

「それは予感というものだよね。一斎先生の場合は、選手の呼吸や間をみて判断できたらしいよ」

「一斎先生こそ何者なんでしょうか(笑) あぁ、負けるとわかっていたら、延長戦になる前に寝たんですけどねぇ」

「いや、勝敗がすべてではないでしょ。あの戦いを日本国民として一緒に見れた事は幸せなことじゃない?」

「そうでした。負けて涙を流す選手を観て、私も一緒に泣きました」

「これまで一度も勝てなかったワールドカップ優勝国に勝つことができて、その瞬間を一緒に観れたんだから、彼らには感謝しかないよね」

「そのとおりですね。四年後にはこの日のことを笑って振り返れるように、きっと選手たちはまた今日から努力を始めてくれるはずです」

「私たちも四年後には、心で試合が観れるように精進しないとね!」

「うーん、そうなんでしょうけど、やっぱりスポーツ観戦に関しては、一喜一憂したいです!!」


ひとりごと

客観的に、冷静に心で試合を観戦すると、勝敗が見えてくるのかもしれません。

しかし、小生もスポーツ観戦については、最後の最後まで勝敗が分らずに一喜一憂したいと思ってしまいます(笑)

それにしても今朝の試合は惜しかった!

試合終了直後はなんとなく心が重たくなりましたが、今では選手、監督、スタッフの皆さんに感謝の意を込めて拍手を送りたいと素直に思います。


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