【原文】
学は立志より要なるは莫し。而して立志も亦之を強うるに非ず。只だ本心の好む所に従うのみ。
【訳文】
学問をするには、目的を立ててこれを遂行しようと志すことより肝要なことはない(志を立てることが大切である)。志を立てることも、外からこれを強制すべきでものではない。ただ本心の好む所に従うばかりである。
【所感】
志を立てることを強制してはいけない。
この言葉は日頃社内にて営業研修の講師をしている小生にとっては、大きな戒めになると共に、また悩ましい言葉でもあります。
ちなみに小生の実施している社員さん研修は、知識習得ではなく、心を磨くことを目的としております。
その社員さん教育においては常々、
夢 = For me
志 = For you
であり、どうせなら夢より志を持とうとメッセージをし続けているのです。
しかしこれはまさに強制以外のなにものでもありません。
過去と他人は変えることができない、といいます。
やはり強制ではなく、本人が気づくときを待つしかないのでしょうか?
ところが現在の学校教育は、知識習得(知育)の時間はあっても、人間力を磨くいわゆる修養(徳育)の時間は極めて少ないと言えます。(ようやく道徳の授業が復活することは喜ばしいことです)
よって徳育を受けていない若者の本心のままに任せていたら、小生のように中年になって大きな悔いを抱くことになりかねません。
志が立たなければ学も成就せず、また仕事においても成功は覚束ないでしょう。
なるべく若い時期に、志をもつことの大切さに気づかせる。
これは早急かつ永遠の課題なのかも知れません。
小生も諦めず、投げ出さずに心の研修を継続していく所存です。