今日のことば
【原文】
地をして能く天に承けしむる者は、天之を使(せ)しむるなり。身をして能く心に順(したが)わしむる者は、心之を使しむるなり。一なり。〔『言志録』第96条〕
【意訳】
地をしてよく天の命を受けしめるのは、天が地を支配してそのようにするからである。身体をしてよく心の命を受けしめるのは、心が身体をとりしまっているからである。それは地が天に従うと同じである。
【一日一斎物語的解釈】
地が天の命令をしっかりと受け取るのは、天が地をよく統率するからである。体の各器官が心の指示に従うのは、心が体を管理しているからである。どちらも同じ自然の理である。
今日のストーリー
今日の神坂課長は、前日のオリンピック、サッカー男子の試合について話をしているようです。
「これまで戦ってきた相手に比べれば、楽に試合ができるかと思ったけど、そうはいかないもんだなぁ」
「ニュージーランドは守備が固かったですね」
営業2課の本田さんがお相手のようです。
「組織でしっかり守れていたよねぇ。司令塔がしっかりしていたんだろうな」
「サッカーの場合、ピッチの上では監督やコーチより、司令塔の役割を果たす選手が試合の結果を左右することが多々ありますね」
「我が日本も遠藤を中心にして、前線の選手まで全員で献身的に守備をしていたよね」
「だからこそ、0対0でPK戦に持ち込むことができたんですね」
「上意下達で、上からの指示を下が的確に守って行動する組織は強いよな」
「会社の組織も同じですよね」
「そのとおりだね。我が営業2課は、俺の指示が的確に守られているだろうかねぇ?」
「神坂課長には強烈なリーダーシップがありますから、概ね組織として機能しているんじゃないですか」
「そうだと嬉しいな」
「どんなに優れたリーダーが居ても、下にいる者が上からの指示を的確に守って行動できるスキルを身につけていなければ、組織は機能しません。我々も日々精進が必要です」
「お互いに敬意をもって切磋琢磨していこう」
「はい!」
「それにしても楽しみがつながったね。PK線は時の運みたいなところがあるからドキドキしたよ」
「キーパーの谷選手が相手のボールを止めたときには、思わず叫んでしまいました」
「同じく! 日本の金メダルラッシュが続いているけど、球技好きの俺としては、野球とサッカーで金メダルを取ってもらいたいんだよ」
「私はそれにプラスしてゴルフですね。松山選手にも金メダルを手にしてもらいたいです!」
「明日以降もスポーツの醍醐味を満喫できそうだね!」
ひとりごと
確固たる指揮官の下、有能なメンバーが指示に応じて臨機応変に対応する。
これが理想的な組織の姿でしょう。
一斎先生は、それお天と地、あるいは心と諸器官に例えています。
いずれにしても、上は上なりに、下は下なりに努力をし続けることが必須条件となりそうですが。

