今日のことば
【原文】
少者は少に狃(な)るる勿れ。壮者は壮に任ずる勿れ。老者は老に頼む勿れ。〔『言志耋録』第332条〕
【意訳】
若い人は、若さをいいことにして図に乗ってはいけない。働き盛りの壮年の人は、みなぎる力を自負して思いのままに任せてはいけない。そして老人は、年の功を誇るような態度をとってはいけない。
【一日一斎物語的解釈】
若い人は若さを、壮年の人は活力を、老年の人は老いを言い訳にしてはいけない。
今日のストーリー
今日の神坂課長は、営業2課の梅田君と同行中のようです。
「課長、すみません。私の対応のまずさでクレームになってしまって・・・」
「気にするな。誰もが通る道だ」
「若いというだけで、知識がないと決めつけられたのが悔しくて、つい言い返してしまいました」
「ははは。お前らしくて良いさ。俺の若い頃もそうだった」
「課長もですか?」
「『若造のくせに』みたいな言われ方や態度をされるとムカついたもんだよ。たしか、お前と同じようにドクターに文句を言ってクレームになったこともあった気がする」
「そのときは佐藤部長に同行してもらったのですか?」
「うん、たぶんな。覚えてないけど。(笑)」
「嬉しいです」
「バカたれ、そこで喜ぶな!」
「あ、すみません」
「しかし、若さを言い訳にする奴よりはよっぽど見込みがあるよ」
「どういうことですか?」
「『新人なので、わからないです』みたいなことを言う奴もいるからな。若さを言い訳にしていたら、何も成長できないよ」
「あー、そういうことは口が裂けても言いたくないです!」
「いいね! 若者は若さを、俺たち世代は活力があることを、そしてベテランを老いを言い訳にしてはいけないな」
「はい!」
「さて、到着したな」
「はい。なんとかこのまま担当させてもらいたいので、ご支援をよろしくお願いします」
「そこは任せておけ!!」
ひとりごと
地味な言葉ですが、小生はこの章句が好きです。
意外と年齢を言い訳にしてしまいがちです。
しかし、それは自分側の問題であって、相手には関係のないことです。